【宿題の科学】宿題に関する最新の研究を並べるエントリ

2019年10月28日

メンタリストDaiGoさんの動画で「本当に宿題は意味ないのか?」との議論がネット上で繰り広げられていますが。

 

 

追加の説明をしていましたので合わせてどうぞ↓

 

僕としては2019年の12月に出る予定の、メタ分析待ち。

 

それまではノーコメントのつもりでしたが、論文の計画書の参考文献を見ている限り、2019年の文献が1つしかなかったんですよね。

 

なので、今年出た宿題に関する研究をまとめつつ、メタ分析に備えたいと思います。

 

宿題をやる気にさせるのは誰?

 

まずは、スペインのオビエト大学が出した論文(①)から。

 

これは、中学生730人を対象に、以下の観点から宿題の効果を調べたもの。

 

  • 親の関与・・・子どもの宿題をどれだけ手伝っているか?
  • 教師の関与・・・宿題に対し、教師はどれだけサポートしているのか?
  • 宿題に対するモチベーション・・・宿題をする意欲・関心、満足度、印象
  • 宿題へのエンゲージメント・・・計画を立てて取り組んでいるか?振り返りをしているか?

 

で、結果はこんな感じ↓

 

  • 教師から宿題のサポートを受け、自主的に取り組んでいれば効果はある(効果量=0.608)
  • 親が宿題をサポートするのは中程度の効果(効果量=0.302)

 

宿題に意欲を燃やすかどうかは、

  • 親の影響(18.29%)
  • 教師の影響(47.74%)
  • その子次第(24.79%)
  • その他(9.18%)

 

あと、女の子は親からのサポートがあると宿題に取り組むようになるんですが、男の子はそうでもないみたいです。

 

意欲的に宿題に取り組むかは教師の腕の見せ所って事ですね。

 

それこそ、効果が出てるなら『けテぶれ』とかいいんじゃないでしょうか。

 

 

理想の宿題とは?

 

  • 宿題は量じゃなくて質なのでは?

 

ってのが今の教育界の見解でして。メンタリストDaiGoさんが取り上げていた文献でも(②)、

 

  • 宿題を増やしても成績は上がらない!(小学生)

 

とは言われていたんですけど、2016年の論文(③)では、

 

  • 質が高ければ効果はある!
  • ただし、何をもって「質の高い宿題」と言うかはわからない!

 

という結果で、モヤモヤした感じに終わっていました。

 

そこで、ポルトガルのミーニョ – カンプス・デ・グァルタル大学らが「質の高い宿題って何よ?」と調べて発表しております(④)。

 

これは、数学教師130人を対象に、「質の高い宿題とは何か?」についてアンケートをとったものです。

 

アンケートなので、質の高い宿題の正体が完全に判明する訳ではないものの、ベテラン教員のコンセンサスを知れます。

って事で、早速結果↓

 

  1. 子どもの知識・技能を強化するもの
  2. 学習の応用になっているもの
  3. 子ども一人一人に最適化されているもの
  4. 1時間以内で終えられるもの

 

授業で学習した内容が定着し、応用する機会となり、それが一人一人に合った内容で、何時間もかからないものが、質の高い宿題なんだ、と。

 

これは大方納得していただけるのではないでしょうか。

 

「じゃあ、実際はどうしてます?」と尋ねたところ、

 

  • クラス全体に向けた宿題を出している
  • 個別化された宿題は点検に時間がかかる

 

理想的な宿題を理解している教員は多いものの、実行できている人はほとんどいなかったみたい。

 

ちなみに、この論文のタイトルは、「宿題はこうあるべき…だけど、我々は理想的な世界にはいない。」です。

 

「教える」を宿題にする

 

お次はユトレヒト大学らの研究(⑤)で、131人の大学生を対象に、3つのパターンで宿題を課していて、

 

  • 教科書の要約
  • 教科書の再学習
  • ティーチングビデオの作成

 

ティーチングビデオとは、YouTubeのように、誰かに向けて学習内容を説明した動画を作ってもらう、と言うもの。

 

イメージとしてはオリエンタルラジオの中田さんの動画。

 

結果はと言うと、

 

  • ビデオの作成は宿題を楽しくする!
  • ついでに、テストのスコアも上がる!

 

YouTuberになってもらうと、テストの成績が上がるみたい。

 

ちなみに、一番効果がなかったのが再学習でした。

 

最近、ティーチングビデオの研究はよく見かけますから、いずれ、動画を提出させる時代が来るかもしれませんね。

 

とりあえず今は、「今日勉強した事を誰かに教える!」って宿題を課してみてはどうでしょうか。

 

宿題と時間

 

最後は、コルーニャ大学とミーニョ大学の研究(⑥)。

 

これは、宿題の効果を時間の側面から分析したものです。

 

968人の小学生を対象に、

  • 宿題に費やした時間
  • 時間管理の上手さ

 

を調べたそうな。結果のよかった順に並べると、

 

  1. 宿題に費やす時間が短い+時間管理の上手い子
  2. 宿題費やす時間が長い+時間管理の上手い子
  3. 宿題に費やす時間が短い+時間管理の下手な子
  4. 宿題に費やす時間が長い+時間管理の下手な子

 

 

  • 18時から19時に算数の宿題を終わらせる
  • 19時から20時は漢字ドリルをこなす

 

みたいに、時間管理の上手い子は、宿題の効果が高いみたい。

 

ただし、宿題に費やす時間では1.1倍の差しかなく、重要なのは時間管理の能力。

 

時間管理の上手い子と下手な子を比べると、1.4倍の差がついており、計画の立て方の指導が行われていれば、宿題に意味が出てくるかもしれませんね。

 

まとめ

教育に活かすなら?

①宿題のやる気は、教師によるところが大きい。

 

②質の高い宿題であれば、効果はあるかもしれない。

Ex:

  • 誰かに教える宿題
  • 30分程度で終わる短い宿題
  • 一人一人に合わせた宿題

 

しかし、現実は難しく、理想の宿題を出せている教員は少ない。

 

③時間管理が上手ければ、宿題で成績は上がる。

 

ざっと、宿題に関する最新の研究を見てきたわけですが。

 

全体的に見て、「全く意味ないとは言わないけど、増えすぎて質が下がってない?」って方向で研究が行われている感じがします。

 

なので、教師の方々は、

 

  • 短時間で終わる質の高い宿題

 

を、目標にして頂ければと(難しい話ですが)。

 

 

って事で、宿題に関する最新の研究一覧でしたー。

 

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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