【結論】読書は紙か?電子書籍か?最新の研究をもとに徹底比較

2019年11月2日

こんな質問をいただきまして。

 

最近このサイトを知り、興味深く拝見させて頂いています!

 

(中略)

 

質問なのですが、エイジさんは読書は紙か電子書籍のどちらを勧めますか?

 

ありがとうございます!

プライバシーに関わりそうな情報だったので、最後の質問以外は端折らせて頂きました。

 

質問に戻ると、「読書は紙か?電子書籍か?」って話ですね。

では、最新の研究を見てみましょう。

 

読書は紙の本と電子書籍どっちがいいの?

 

近年、電子書籍の市場は拡大していて、紙の本は売れないながらも、電子書籍の売り上げは伸びているんですな。

 

場所も取らないですし、好きな時に読めるので、読書家には重宝しております。

 

僕も毎月鬼のように電子書籍を購入しています(主に洋書)。

 

で、気になるのが「紙の本と電子書籍で理解力とか記憶力に違いはないの?」ってところ。

 

普通に考えて、媒体が違えば何かしらの差が出てきそうですよね。

 

という事で、参考になりそうな質の高い研究を4つピックアップしてみました。

 

1.2017年のメリーランド大学のメタ分析

 

まずは、過去25年に出版された読書に関する文献をまとめたメタ分析(①)から。

メタ分析とは、過去の研究をまとめて大きな結論を出すもので、質の高い情報とされています。

 

では、早速結果をどうぞ↓

 

  • 6歳までなら、紙でも電子書籍でも理解力に差はない
  • 中高生になり、複雑な文章を読むようになると、電子書籍だと理解力が落ちる

 

研究者いわく、

 

紙と電子書籍は二項対立の関係ではありません。

 

(中略)

 

両媒体は、読解力・学習の種類・年齢によって、最適な場面があるはずだ。

 

紙の方がいいんだけど、時代的に電子書籍を避けるのは難しいから、使い分けが重要だよね、とな。

 

では、他の研究も見ていきながら使い分けなどを考えていきます。

 

2.2018年バレンシア大学のメタ分析

 

お次はバレンシア大学らの研究(②)で、54個の研究をまとめたものです。

で、早速結果を見ていきますが、

 

  • 電子書籍で読むと理解力が落ちる(効果量=−0.21)
  • 時間制限があると、電子書籍でも紙の本でも関係なくなる

 

「この1時間で読み切りたい!」みたいに、時間的なプレッシャーがある場合は、電子書籍だと読書のパフォーマンスが落ちてしまうんだと。

 

研究者いわく、

 

紙ベースの読書がデジタルベースの読書よりも優先されるべきであることを示唆していますが、デジタルデバイスを避けることを推奨するのは非現実的だろう。

 

(中略)

 

入学試験や仕事でのタスク、授業等で情報テキストを扱う場合の影響力をさらに調べる必要がある。

 

 

テストは時間的プレッシャーの代名詞みたいなもんですからね。

紙の方がいいかも。

 

3.2018年バッファロー大学のメタ分析

 

こちらは17個の研究を分析したもの(③)で、この論文でのみ判明した事実をピックアップしますと、

 

  • 紙の本と電子書籍を比べると、紙の方が優勢
  • しかし、年々差が小さくなっている

 

電子書籍に慣れ始めているからなのか、電子書籍のデメリットが小さくなりつつあるみたい。

 

ターニングポイントは2013年らしく、2013年以降に生まれたデジタルネイティブなら、電子書籍のデメリットが無いかも。

 

4.2019年ノースダコタ大学のメタ分析

 

最後は、2019年にノースダコタ大学から出たメタ分析(④)。

 

これは過去過去10年に出版された文献の中から質の高いものを33個ピックアップしたものになります。

 

結果を並べておきますと、

 

  • 電子書籍は紙の本に比べて読解力が落ちる(効果量=-0.25)
  • 学術系の本だと結構下がる(効果量=-0.32)
  • 小説だとちょっとだけ下がる(効果量−0.04)
  • 読書時間に差は出ない(若干電子書籍の方が早い。効果量=0.08)
  • 紙の方が読書パフォーマンスはいい(効果量=0.20)

 

最新の研究でも、電子書籍に不利な結果が出てしまいましたね。

 

ぶっちゃけ差は小さいですが、難しい本(学術書とか)を読むとなると気になるかも。

 

−0.32は中程度の差ですから、できればこのマイナスは消したいところでしょう。

 

電子書籍のデメリットまとめ

 

電子書籍に不利な結果が出てしまった理由といたしましては、

 

  • 電子書籍だと自分の読解力を過信してしまうから

 

らしいです。

スマホでニュースとかSNSを見る時って、基本的に流し見が多いですよね。

 

スクロールしてキーワードだけ見る、みたいな。

 

あの感覚が電子書籍だと呼び起こされるらしくて、文字を細かく見なくなる(読み返しが減る)んですって。

 

 

 

もちろん、「慣れ」の問題もあります。

 

全体的なサンプルを見てますと、電子書籍よりも紙で読む人の方が多いんですよ。

 

日頃から紙で読む人は当然紙の方が読書パフォーマンスが発揮されますよね。

 

まぁ、バッファロー大学の研究(③)だと、年々差が縮まってるそうなので、電子書籍を使い続ければいずれマイナスがゼロになるかも。

 

 

 

あと、電子書籍が良くない理由として挙げれるのが、「注意が逸れる!」ってやつ。

 

例えばスマホのKindleアプリで読書するとなると、スマホに入ってるゲームやSNSの存在がチラつき、集中できなくなってしまうんですよね。

 

ですが、2019年の分析(①)の中に、読書以外できないデバイスで電子書籍のパフォーマンスを調べた研究があったんですけど、

 

  • 集中力に違いはなかった!

 

との結果が出たそうな。

なので、シンプルにデジタルで読むと読解力が落ちるみたい。

 

もちろん、実際の電子書籍は他ごとができてしまうため、注意が逸れて、より読書に支障をきたす可能性はあります。

 

まとめ

教育に活かすなら?

①電子書籍は紙の本と比べて、文章の理解力が小から中程度落ちてしまう。

文章が複雑になるほど、差は大きくなる。

 

②しかし、年々紙と電子書籍の差は小さくなっている。

スマホネイティブの子には関係のなくなる時代が訪れるかもしれない。

 

③難解な文章・時間的なプレッシャーのある場合は、紙ベースで文章を読むべし。

Ex:

  • 道徳の教材
  • 評論文
  • テスト

 

 

と言うわけで、電子書籍と紙の本に関するメタ分析を4つ見てきた訳ですが。

 

どの研究も結果に大した差はなく、「電子書籍だと理解力が落ちる!」ってのは同じ。

 

なので、使い分けといたしましては、

 

  • 小説・漫画・ビジネス書は電子書籍
  • 学術書・評論系の本は紙

 

かなぁと。

ビジネス書といっても物によりますけど、ハウツー系の本なら読解力を必要としませんから、「さっと読めそうだな」と思う物は電子書籍でOKだと思います(何より安いですし)。

 

ちなみに、絵本は紙の方がオススメです。詳しくはこちらをご覧ください↓

 

 

 

って事で、紙の本と電子書籍の比較でしたー。

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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