【ペンの持ち方の科学】鉛筆は正しく持つべきなのか?

2019年11月4日
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教育の世界で度々問題になるのが、「ペンの持ち方問題」。

 

正しく持てないとダメだ!」って言われますが、疑問を持つ方も多いでしょう。

 

実際に、ペンの持ち方をGoogleで検索してみたところ、「正しい持ち方をしましょう!」ってページがほとんどでしたが、エビデンスをもとに主張しているところはゼロ。

 

正しく持たせるのに反対する気は一切ありませんが、こんなブログを運営してますと、根拠なしの主張をされると気になるんですよね…

 

って事で、ペンの持ち方の研究を調べたんで、よろしければお付き合いくださいまし。

 

海外では正しいペンの持ち方を定めていない

 

日本だと正しいペンの持ち方が決められていますが、欧米では特に決められていません。

 

なので、ペンの持ち方による影響は、海外の文献の方が参考になります。

 

と言うのも、ざっと日本の文献を見渡してみたところ、正しい持ち方をした方が良いとの研究結果が多いものの、相関関係の可能性が否めませんで。

 

どういう事かといいますと、

 

  • 正しい持ち方をしている子は、親が教育熱心な傾向があるため、自然と学力も高くなる

 

って可能性があるんですな。

 

一方、海外だとペンの持ち方は決められていませんので、持ち方そのものの影響がつかみやすいと考えられます。

 

では、見ていきましょう。

 

ペンの持ち方と文字の綺麗さ

 

幼少期はペンをグーで握る事しかできませんが、小学校に入ると指で固定できるようになります。

 

成長するにつれて手が器用になっていくんですね。

これは、子どもと関わっている人ならお分かり頂ける話でしょう。

 

では、具体的な話に入っていきたいと思いますが、まず見ていきたいのがトロント大学らの研究(①)。

 

この研究によると、ペンの持ち方は大抵4パターンの握り方に落ち着くそうです↓

 

三本の指で握る2パターンと、四本の指で握る2パターン。

 

教師に「正しい持ち方はどれだと思います?」と聞いたところ、8割の教師が左上の持ち方で指導していたそうな。

これは日本と同じですね。

 

で、10歳の子ども120人の持ち方と文字の綺麗さ、書くスピードを調べたところ、こんな結果になりまして、

 

  • 持ち方と読みやすさに相関はない!
  • 書くスピードにも影響しない!

 

上で紹介した4パターンのうち、どれかに当てはまっていれば、特に指導する必要はないのかも。

 

他の研究なんかも見てますと、

 

  • Dynamic Tripod(日本で言う正しい持ち方)は必ずしも文字の質を担保する持ち方ではない!(②)
  • 書く量が増えても読みやすさ・速度に影響しない!(③)
  • 小学校1、2年生でも持ち方と読みやすさに関連性が見出せなかった!(④)

 

持ち方って関係ないのか…

 

持ち方と筆圧

 

ペンの持ち方と言えば、「筆圧」も気になるところでしょう。

 

そこで、トロント大学らがペンの持ち方と筆圧について調べてくれています(⑤)。

 

検証されたのは以下の4パターン↓

 

120人の小学4年生を対象に調査した結果はと言うと、

 

  • 筆圧に差がなかった!
  • ただし、AとBだと少しだけペンに力が入る

 

筆圧が弱いなら、正しい持ち方に変えてみた方がいいかなーくらい。

 

研究者いわく、

 

手書きの指導をするから、ペンの持ち方よりも、書くスピードや文字の形に重点を置いた方が良いだろう。

 

ペンの持ち方に厳しい人から怒られそうな気がしますが…まぁ、事実なので。

 

ペンの持ち方と姿勢・視力

 

ペンの持ち方となると、「姿勢」って話も出てきますが。

 

そこら辺を調べたのが桃山学院大学(⑥)で、早速結論を引用しますと、

 

 

「箸の持ち方」「鉛筆の持ち方」は学習時の「姿勢」に影響を及ぼしており,持ち方

が「正しい」子どもは,「ノートとの距離」を眼精疲労の少ない「30 cm」に保持している者

が多く,さらに,「ノートとの距離が 30 cm」を保持している子どもには視力不良者が少な

いことが明らかになった。

 

以上のことから,眼精疲労の少ない学習姿勢を保持するための一要因として,「箸」や「鉛筆」を「正しく持つ」ことの重要性が示唆された。

 

 

ペンの持ち方が悪いと前傾姿勢になりやすいらしく、視力が悪くなってしまうらしいです。

姿勢にはご注意を。

 

また、

 

大人が子どもの「個性の尊重」を重視するあまり,「箸の持ち方」「鉛筆の持ち方」を煩く言わなくなったことがあげられる。

 

成長上必要な基本的事項は,大人が子どもに伝承していかねばならない。

 

「正しい」持ち方は「合理的な」持ち方として,これまで伝承されてきた。

 

それを次世代に伝承していくことは,「個性を尊重しない」ことにはならない。

 

何事も最初が肝心である。最初に「正しい」持ち方を教えないと,その後の矯正は困難を伴う。

自由に持たせるのが個性の尊重とは言わないよねー、とな。

 

この意見対しては賛否ありましょうから、Twitter等からご意見をお聞かせください。

 

教育に活かすなら?

①ペンの持ち方と文字の読みやすさ、書くスピードには関連性がない。

正しい持ち方じゃないとダメってのは言い過ぎ。

 

②しかし、正しい持ち方だと、ペンに力が伝わるし、姿勢が良くなる。

 

③正しく持つに越したことはないが、いき過ぎた指導には疑問が残る。

 

ちなみに、ペンの持ち方と性格について調べた研究はゼロでして。

 

持ち方が変だからと言って、人としてどうだとかは誰も言えないはず。

 

 

残念ながら学力との因果関係を調べた研究もありませんでした。

 

「親指を動かさないと血流が!」って意見もTwitterで見かけたんですけど、どちらかと言えば人差し指の方が重要な気がしますし…(データがあれば教えて下さい)。

 

血流を心配するなら「立てばいいのでは?」とも思いますが…

 

まぁ、正しい持ち方に矯正してもらうかは、皆様の判断にお任せします。

この辺は価値観の問題なのでコンセンサスを得るのは難しいですからね…あくまで当ブログ(Edint)はデータをわかりやすく提供するだけに留めます。

 

 

その他ガイドライを示しておくと、

  • 3、4歳から持ち方の練習を始める事ができます
  • 持ち方の矯正に1ヶ月はかかる

 

個人的には、エビデンスを示しながら「ペンの持ち方」に関する記事が書けただけで満足。

本当にどこにもなかったんでね。

 

「ペンの持ち方論争」が巻き起こったら、この記事を取り上げて頂けると幸いです。

 

 

って事で、ペンの持ち方に関する研究まとめでしたー。

 

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