ベストな勉強の振り返り方を考える(要約の効果も考察)

2019年11月13日

こんな質問を頂きまして、

 

 

最近、私個人が気になるテーマは、「学習における振り返りの効果」についてです。授業の最後の時間に、本時の振り返りを書く時間を設ける先生方も多いですが、その振り返りにどれほどの効果があるのかが気になっています。

 

(中略)

 

エイジさんのお時間のある時で構いませんので、振り返りについての記事を書いていただけるととてもありがたいです。

 

 

まとめの時間にどれだけ効果があるのか、と。

という事で調べてみましたー。

 

「要約」の効果

 

振り返りとは、言わば「授業の要約」の事でしょう。

勉強した内容のまとめですね。

 

この時間を設ける事で、記憶や理解を深める狙いがあります。

 

で、気になるのが「どこまで要約に効果があるのか?」ってところ。

 

短い授業時間中にわざわざ設ける必要があるのでしょうか。

 

という事でまず見ていきたいのが、2016年にノースカロライナ大学が行った研究(①)です。

 

この研究では、5回の実験を通して、テキストの再読と要約の効果を比較してくれています。

その結果はというと、

 

  • 要約とテキストの再読に記憶力の違いはなかった!
  • 文章の長さ・復習のタイミングを変えても差は確認できなかった!

 

記憶力に関しては特に優れている訳でもなさそうです。

しかし、

 

  • 要約は理解度を測るのに使える!

 

って事も判明していて、記憶術としては期待できないかもしれませんが、「自分はどれだけ理解できているか?」を知るには効くみたい。

いわゆる、メタ認知ですな。

 

要約が特に効くケース

 

ある子にとっては要約が効くとされていて。2016年にテキサス大学が行ったメタ分析(②)によると、

 

  • 読解力の低い子には要約戦略が効く!(効果量=0.97)

 

読むのが苦手な子には、文章を読ませて要約させると読解力が上がるみたい。

 

0.4が中程度の効果なので、それと比べるとかなり期待できる指導法なのではないでしょうか。

 

特に、読むのに慣れてない小学校低学年には有効かと。

 

ベストな振り返り戦略はどれだ?

 

勉強した事は復習しなければ定着しませんし、どこまで理解できたかがわからないとつまづいたままになってしまうので、振り返りの時間は確保した方がいいでしょう。

しかし、何をするべきか悩みどころ。

 

そのヒントになりそうなのがデューク大学らの研究(③)。

 

この研究では、100人の大学生を対象に、授業後に4つの戦略のうち一つを行ってもらい、テストのスコアを調べたもの。

 

その4つの戦略をご紹介しますと、

 

  1. ハイライト戦略・・・教科書の重要なところにマーカーを引く
  2. ノート戦略・・・ノートに授業のまとめを書く
  3. リコール戦略・・・授業中にとったノートからクイズを作る
  4. エッセイ戦略・・・授業で学んだ内容を思い出しながら短いエッセイを書く

 

で、結果はこうなりました↓

 

顕著な違いはありませんが、思い出す活動のある、リコール戦略とエッセイ戦略が有効そう。

 

ノート戦略とハイライト戦略にそこまで差がありませんから、時間のかかるノート戦略は非効率的ですね…

 

研究者も、

  • ただノートをまとめるだけでは学習を後押しできない!

 

と言っていて、正しい振り返りの仕方でないと時間の無駄になってしまいそうです。

 

まとめ

教育に活かすなら?

①要約は記憶に定着させると言うよりは、「どこまで理解したか?」を測る活動である。

 

②メモすればOKって訳でもない。

思い出す工夫(Ex:問題を自作したりとか)がされていなければ、ノートを書く時間が無駄になってしまう。

 

③振り返りの時間を有意義なものにするには、思い出すように促すべし!

単に教科書やノートを再読させるなら、マーカーを引かせた方が時短でマシ。

 

何を目的として振り返りの時間を設けるかによりますが、ざっとまとめると、

 

  1. 授業の最後に内容を問う問題を自作してもらう
  2. 次の授業で、作った問題を解きながら復習してもらう(友達とクイズを出し合ってもらってもいい)
  3. 理解度を重視したい場合は、「要約」させ、説明できなかったところをチェックしてもらう

 

全体的な効果を見てますと、要約は授業の終わりにやるよりも、次の授業のはじめに行う方が定着する傾向があります。

 

なので、授業の最後は問題の作成にとどめ、次の授業の開始5分で振り返りをするのがよろしいかと。

 

 

って事で、ベストな振り返り戦略の話でしたー。

 

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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