人類史で読み解く「リーダー論」〜あなたがカリスマになれないワケ

2020年4月3日

理想のリーダー」と言われて、あなたなら誰を思い浮かべるだろうか?

 

子曰、巍巍乎、舜禹之有天下也、而不與焉

 

訳:先生が言われた。「実に心が広いね、舜と禹の天下の治め方は。世を治めただけでなく、賢明な人に任せて治世を行ったところがまたみごとだ。

 

ーー『論語』訳 斎藤孝 より

ここでもう一つの議論が生まれる。恐れられるのと愛されるのと、さてどちらがよいか、である。だれしもが、両方をかねそなえているのが望ましいと答えよう。

だが、二つをあわせもつのは、いたってむずかしい。そこで、どちらか一つを捨ててやっていくとすれば、愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。

 

ーー『新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)』より

 

組織の成功はリーダーに委ねられていると言っても過言ではない。国のトップが不甲斐なければ国民は将来を危惧し、社長の言動は株価に影響する。

 

我々はいつだってカリスマ的なリーダーの登場をどこかで期待しているし、優秀な人材をトップに据える事で組織が改善されると考えている。

では、優れたリーダーとは何だろうか。何をもって「この人はリーダーに相応しい」、と評価しているのか。

 

進化的リーダー論

 

当サイト『Edint(教育のヒント)』は、進化論を教育に適用し、ヒトにとって自然な学びや発達を考察している。過去の記事は以下のリンクから目を通して頂けると幸いだ。

 

そこで本稿では、進化論の視点からリーダーシップを考察していく。

ただし、「優れたリーダーになるには、メンバーと打ち解けて、決断力を発揮して……」などと条件を羅列していくつもりはない。

 

  • “なぜ”この人がリーダーに相応しいと思うのか?
  • 人類は誰を組織のトップに据え、付き従ってきたのか?
  • リーダーはどのようにして誕生したのか?

 

「リーダー論」と聞くと、ビジネスマンにのみ必要な知識のように思えるが、そんなことは一切無い。現に、教師は学級経営を任されているし、学校は校長の下に意思決定が行われている。

加えて、活動内容を児童生徒に任せる為にリーダーを選出し、適宜アドバイスをしなければならない。

リーダーになる気がなくても、相応しい人材を選び支えていかなければならないのだ。

 

であれば、リーダーの起源から理解しておいた方が、小手先のリーダー論に頼るよりも応用性はずっと高いはずである。

それに、「リーダーのなり方」のような記事・本・セミナーはあっても、人類史から論じたものは少ない。

 

最後まで目を通していただければ、リーダーという存在について深い理解が得られるだろう(孔子とマキャベリを引用した伏線も回収される)。

 

先ずは、リーダーっぽさから見ていこう。なんとなく頼りにしてしまう心理には、進化が関わっているのだ。

 

リーダーのシグナル:なぜあの人は選ばれるのか?

 

大多数の学校では、一学期に学級委員長を決めている。立候補者が多ければ話し合いか、最終的には投票で選出する事になるだろう。

興味深いことに、彼らの人となりを深く理解していない初期状態でさえ、投票数に偏りが生じる ーー 投票前に「多分こいつが選ばれるな」と感じたことの一度や二度はあるはず。

 

これは、合理的に考えて導き出された結論ではなく、直観的なもので、心理学では“ヒューリスティック”と呼ばれている。

 

進化教育学ではヒューリスティック ーー 経験から導き出された暗黙的・直観的な意思決定 ーー も、進化の過程で備わった機能の一部であるとみなしている。

 

ヒューリスティックには、蛇やクモといった危険生物から無意識に距離を取ろうとする生得的な判断もあれば(1)、後天的に学習されたプロの暗黙知・勘もある(2)。

両者の共通点は、深く考えずとも意思決定が行われるところだ。

環境が目まぐるしく変わる現代社会では経験論があてにならない場面も多々あるが、太古の昔において、直観に基づく即時的な判断は生存率を左右する有効な戦略だった。

 

よって、生存と生殖に直結する重要な判断は遺伝子に刻み込まれ、繰り返し学習したものは無意識に行えるよう進化した可能性がある。

 

では、リーダー選びにもヒューリスティックは使われているのだろうか。

私がリーダーと言われて真っ先に思い浮かぶのは、“腕組み”だ。Googleで“リーダー”と検索すれば、腕を組んだ自信満々の男性がたくさん出てくる(女性も組んでいる)。

 

今でこそファッションや整形で身なりをある程度操作可能にはなったが、昔はそうもいかず、外観は遺伝とホルモン次第だった。

特に、テストステロン(男性ホルモン)は、筋肉の発達や健康、日々の活力をもたらす重要な役割を担っている。

 

狩猟採取社会を見渡してみると、大柄の男性がリーダーに据えられやすいことが見てとれる(3)。

明日の食すら十分に確保されていない時代で、大きな身体は十分な食事がとれている何よりの証拠と言えるだろう。

故に、大きな者についていけば、生存率を高められたはずである。細身の男性にどこか頼りなさを感じてしまう理由はここにあるのかもしれない。

 

先行研究でも、テストステロン値の上昇は年齢に関わらず男性の生産性を高める、との知見は確認されている(4)。

分泌量の多い筋肉質な男性は、荒野を駆け抜けられる体力と、獲物を持ち帰る狩りの腕を保証するシグナルなのだ(5)。

 

ここで注意しなければならないのは、因果と相関の混同である。前述の通り、男性ホルモンは「リーダーっぽさ」を演出してはくれるが、純粋なリーダー力の高さを示すものではない。

テストステロンとリーダーシップの関係性を調べた2016年のメタ分析(6)の一節を引用すると、

 

高テストステロンレベルと権威主義的なリーダーシップスタイルに関連性は見出されましたが、それは非管理者に限られていた。

暫定的な結論として、テストステロン値の高さが権威主義的リーダーシップを育てる可能性がある、と推察される。

 

この説明は、ステータスは低いが(例:非マネージャー)、社会で成り上がろうとする者の基礎テストステロンレベルが高い現象、つまり、地位とテストステロンに一貫した因果関係が確認されないミスマッチ仮説と一致している(Josephs et al.,2006)。

男性ホルモンが多いと、力で支配しようとする意識が強くなり、結果としてリーダーに選ばれやすい、とういうだけなのだ。

「場を仕切り、リーダーになりたがる者が必ずしも良いリーダーではない現象」がなぜ起きるのかを理解してもらえただろう ーー この問題の原因は別項目でも触れる。

 

同じく身長もリーダーのシグナルに用いられている。2013年の研究(7)では、以下の写真を見せてリーダーシップを評価させた。

結果は男女ともに、高身長がリーダーに相応しいとの評価を受けていた。

 

男性が力で支配してきた歴史を鑑みれば、性差も高身長がリーダーのシグナルなのも筋が通る ーー 体を大きく見せるのが威嚇のセオリー。

 

時代が知識社会に移行し、体格のシグナルが役立たないにも関わらず、依然として遺伝子に刻まれたシグナル ーー 資源の豊富さと戦闘力を示す ーー を用いてリーダーを選んでしまうのだ。しばしば人選に失敗してしまうのも、進化的ミスマッチと言えよう。

 

 

リーダーのシグナルは状況によって変化するとの知見もある。主に、戦争時や緊急事態には支配的な男性が好まれやすく(8)、平和時や安定期には女性が好まれやすい(9)。

もう少し具体的に説明すると、グループどうしの争い問題では男性リーダーを、グループ内のいざこざ問題では女性をリーダーに選ぶのだ。

このジェンダーバイアスは、前線で戦うのが男性で、集団の秩序を保ってきたのが女性だったという進化的起源にあるのかもしれない。

 

男女で優劣があるかどうかの話ではなく、ヒトは幾ばくかのシグナルを用いて直観的にリーダーを選別しているである。

 

地位とリーダーシップ

 

いくら日本人が内気だとしても、リーダーを目指す者は大勢いる。

成功者に憧れて自己啓発本を買う者もいれば、SNSでフォロワーを沢山集めたがる人もたくさんいて、集団の中心でいたい欲求は日本人にも備わっていると言えよう。

 

なぜこのような欲求が備わっているのかと言うと、地位が高ければ食に困らず、異性からモテた(地位は優秀さのシグナル)。つまり、地位は生存と生殖に有利に働くのである。

昇進と給料アップがセットになっている人間界同様、他の種でも地位の高い者に恩恵が与えられている(10) 。

 

ステータスが上がれば気持ち良くなり、危ぶまれると他者を攻撃してその座を死守しようとするは、リアルでもフィクションでもお馴染みの光景であろう。

我々ホモ・サピエンスは自分の地位を高めるのに必死なのだ ーー 誰しもが無意識に行っているという点からも、進化的影響が示唆される。

 

何より重要なのは、地位の高さが“資源のコントロール権”をもたしてくれる点にある。

仕事の裁量権は死亡率と相関(11)しており、ヒトにとって自由が他者に委ねられている状態ほどストレスなものは無い。

一定のコントロール権を得たからこそ、競争心を感じさせない余裕な立ち振る舞いが可能になるのだ。

 

ただし、ステータスの高い者が必ずしもリーダーになる訳ではない。

地位の高さとリーダーシップに相関はあるが、リスクでしかない場合、低い者がリーダーに据えられる ーー 革命家の多くは社会的地位が低い。

 

我々は地位を求める欲求に突き動かされているのであって、生まれながらにリーダーになるよう動機付けられているのではいない。

メリットを感じられた場合にのみ、地位を求める欲求と呼応して、必要ならば争う。

 

従って、地位とリーダーシップは全く別の異なる概念であり、同一視するのは危険である。

 

 

ここまで書き進めてみると、大金持ちを夢見たビジネスパーソンの卵が、スクールでリーダー論を学んでいるというのは、なんとも皮肉な話に思えてくる。

著名人の豪華な暮らしに憧れた者達から、歴史に名を刻むほどの革命家が出てくるなどと期待してはならなかったのだ。

 

地位が第一な者が窮地に立たされた時、保身に走るのは目に見えているのだから ーー 手段の目的化に気をつけよう。

 

 

「リーダーっぽさ」と「地位とシーダーシップの関係性」を理解した上で、話をリーダーシップの進化的起源に進めていこう。

 

リーダーの2タイプ:孔子とマキャベリ

 

本稿の最初で孔子とマキャベリのリーダー論を引用した伏線はここで回収される。

 

進化論を用いてリーダーシップ研究の統合を試みた2019年の論文(12)では、“プレスティージ”と“ドミナンス”の2つのスタイルしかないと指摘する。まずは以下の表に目を通していただきたい。

 

スタイル プレスティージ(信望) ドミナンス(支配)
哲学 孔子 マキャベリ
姿勢 受動的 能動的
影響の仕組み 慕ってくれる者に特典を与えて 

Ex:知識や技術を伝達

従わない者にコストを課して 

Ex:制裁措置

主な機能 集団行動

採餌

紛争解決

戦争

意思決定のプロセス 基本的に対等

専門化

専門知識に基づく

トップダウン

力が全て

尊敬されるポイント 自分にない情報を持っているところ 自分にない力を持っているところ
フォロワーの特徴 活動的

リーダーを尊敬している

受け身

リーダーを恐れている

感情 好意・愛・憧れ・自己同一視 マイナス:怒り・恐怖

プラス:尊敬・安心

集団内の役割 理想像 最も重要な存在
系統発生の歴史 狩猟採集

非人間間

採餌行動

霊長類の支配構造
フォロワーのコスト 協調の失敗リスク

委任と拡大の難しさ

搾取

継承問題

※(12)の表を改変

 

あなたが出会ってきたリーダーも“プレスティージ”か“ドミナンス”のどちらかに分類されるはずだ。

 

動物界で広く見られるリーダー像は“プレスティージ”である。

まずはリーダーが食料を見つけ、フォロワー達を先導する。リーダーは資源の発見に動機付けられており、フォロワーは資源の提供を求めてついていくのだ。

非人間界の資源は食料を指すが、人間界では知識・技術・人脈・お金など多岐に渡る。

“プレスティージ”型のリーダーシップは、小規模集団の維持とメンバーの自立の必要性によって生まれたものと考えられるだろう。

 

対して“ドミナンス”は、競争社会特有のリーダー像だ。

権力者のパワハラに嫌気が刺す方も多いだろうが、力で全員を従える分、グループ全体に利益をもたらす。

暗雲が立ち込める世界で、ドミナンス型のリーダーは、力の弱い者にとって救世主のように映るはずだ。

よって、“ドミナンス”型のリーダーシップは、資源をめぐるグループ間の対立と大規模集団の統率の必要性によって生まれたものと考えられるだろう。

 

 

本項目でしたい話は“プレスティージ”と“ドミナンス”の優劣を決める事ではない。

伝えたいのは、どちらも異なる進化の軌跡を辿って生まれたのであり、人類は二つのスタイルを使い分けて時代を前に進めてきた歴史である。

教師で言えば、孔子のように子ども達を諭して自立を促す事も、マキャベリのようにクラスや学校を統制するリーダーシップも求められるだろう。

状況に応じて適宜切り替えていくのが望ましいのであって、一貫したリーダー像は賢い姿とは言い難い。

 

リーダーシップ批判は、状況に相応しくないとういう点において、適切な指摘になり得る ーー もちろん、道徳的規範の範囲内で、だが。

 

カリスマ的リーダーはなぜ生まれた?

 

ビジネスの文脈では、Apple(アップル)の創業者スティーブ・ジョブズを例に挙げて、「次のジョブズを見つけなければ!」と発破をかけている光景を度々見かける。

我々は歴史教育を通して、時代を動かす革命的な出来事はカリスマ的指導者によってもたらされてきた事実を知っている。

 

だからこそ、常にカリスマの登場を心待ちにしているし、そうなりたいと願う者がいても不思議ではない ーー 前述した通り、リーダーには適応的機能があるのだから。

 

しかし、“カリスマ”とは曖昧極まりないもので、常用してはいるが説明を求められると言葉に詰まる概念だ。

そんな中、進化論を用いてカリスマ的リーダーシップの正体を論じたアレンとマークらによる2016年の研究(13) が参考になる。

まず、カリスマ的リーダーシップを定義しなければならないだろう。論文の一節を引用すると、

 

グループ内の緊急事態を調整し、メンバーの協力を促し、課題解決までの過程を示す能力。

 

カリスマと言っても、時と場合によって形態は様々だが、以下の4点に集約されると言う。

 

  1. 注意を引きつけ、フォロワーを募る能力
  2. 雄弁さと教養と慣例的知識を巧みに活用し、聴衆にビジョンを提供する能力
  3. 聴き手にリスクを感じさせない能力
  4. 共通の目標に向かって聴衆をコントロールする能力

 

当サイト『Edint(教育のヒント)』が重要視しているのは、究極要因(なぜ)であり、他の本や記事同様に「カリスマとはこういうものです」のような至近的説明(どのような)に留まる事はしない。“なぜ”上記の4つがカリスマの要素なのかを探っていく。

 

「リーダーとシグナル:なぜあの人は選ばれるのか?」で説明したように、身体の大きさは優秀な能力を秘めている証拠として採用され、他者の注意を引きつける。

たとえ筋肉が現代社会の経済力に直結していなくても、何万年と採用され続けていた評価基準を無視する事などできない。

 

また、話上手な男性は、女性からの評価が高くなるとの指摘がある(14)。Googleが存在していなかった太古の昔で、食料の場所・危険地帯・誰が裏切り者か、といった情報は全て「噂話」から得ていた(15,16)。

話上手な個体が魅力的に映るのも何ら不思議ではないだろう。

 

なによりの証拠は、3〜5歳の子どもを対象にした研究である(17)。

子どもは噂話を通して自分の評判をコントロールしようとしており、ヒトは比較的早い段階で誰に指示されるわけでもなく、噂話に動機づけられているのだ ーー 幼少期から発現する特性というのは、進化の過程で生得的に備えたものと考えられる。

注意を引きつけ、聴衆を納得させ、行動を促すのがカリスマ的リーダーの要素になるのも、噂話に耳を傾け続けてきた進化的起源と、生存率を高める為に話上手な個体を選り好むようになった性淘汰がもたらした結果なのかもしれない。

 

 

だが、これだけでは「ヒトが話し上手な者に惹かれる理由」を明らかにしたにしただけだ。

そこで、アレンとマークらは“親近感仮説”を提唱し、カリスマ的リーダーの進化的説明を試みている(13)。

 

ある実験では、TEDトークを用いて、カリスマ的なプレゼンターのトークを見せた後、独裁者ゲームをプレイさせた ーー 例えば、実験参加者に1000円渡し、「あなたと友達の取り分を決めてください。友達は元々の金額を知りません。」と伝え、どれだけ友達にお金を分け与えるのかを調査するもの。基本的に自分の取り分を多くする傾向にある。

 

その結果、カリスマ的なTEDトークを視聴した人達は、非カリスマ的TEDトークを視聴した人に比べて、お金を多く分け与えていたのだ。

他の2つの実験でも、カリスマ性を感じさせる情報刺激が協力的行動を引き出す事が判明した ーー 例えば、意図的に参加者のカリスマ性を高めると、協力行動が増えた。

 

一連の実験結果から、カリスマ的リーダーシップの起源は、血縁関係でない者同士の向社会的行動を誘発させ、集団の安定化を図らなければならなかった歴史的背景にある、と推察される。

会社の為に時給に見合わない仕事を請け負うのも、トップのカリスマ性によるところが大きいのかもしれない ーー 上場企業の成功ストーリーではお馴染みの裏話だ。

 

見方を変えると、トップにカリスマ性が欠けていれば、協力的行動が減って自分の利益を優先する者が増えてしまうと考えられる。

大きなもの(Ex:横領)から、小さなもの(Ex:同僚の手伝い)まで、個々のモラルに頼るばかりでは、集団の健全化は望めないだろう。

 

我々ホモ・サピエンスが集団生活を取り入れ始めてから早数万年、カリスマ性を有したリーダーに魅力される個体が生き延びられたのだ。

 

 

偶然とは言え、演説を“I have a dream.”で締め括り、アメリカの法律上における人種差別撤廃に貢献したマーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、紛れもなくカリスマ的リーダーと言えるだろう。

まとめ

①“地位”と“リーダーシップ”は異なる概念である。

にも関わらず、混同してリーダー選びに失敗するのは、進化の過程で身についた直感的思考 ーー 力の強そうな者をリーダーに選ぶ思考の癖 ーー が起因している。

 

②リーダーには“プレスティージ”と“ドミナンス”の2スタイルが存在し、それぞれ別の進化的起源がある。

前者は小規模集団の維持、後者は紛争と統治。従って、常に正しいリーダー像はない。

 

③カリスマ的リーダーシップの起源は、メンバーの協力を促す機能にある。

弁舌に優れた者は聴き手にリスクを感じさせず、ビジョンを示し、自発的な協力を引き出す。

 

数年おきに新しいリーダー論が提唱されてはいるが、変わったのはコンテクスト(時代と状況)であり、何ら新しいものはないと考えてよいだろう。

その理由も、本稿をここまで読み進めてくださった方なら理解してもらえるはずだ。

 

 

そして、最も重要な部分はこの先である。

私はどの進化教育学の記事でも、“Why”の話をしており、明日から誰でも実行可能な“How to”の提供を目的としてはいない。

従って、リーダーシップの進化的起源を実践でどのように活用していくかは読者の方々に委ねる

 

 

お察しの通り、私は“プレスティージ”型のリーダーシップを採用する事にしたのだ。

 

 

参考文献

1.Polák, Jakub & Rádlová, Silvie & Janovcová, Markéta & Flegr, Jaroslav & Landová, Eva & Frynta, Daniel. (2019). Scary and nasty beasts: Self‐reported fear and disgust of common phobic animals. British Journal of Psychology.

 

2.Eraut, Michael. (2000). Non-formal learning and tacit knowledge in professional work. The British journal of educational psychology. 70 ( Pt 1). 113-36.

 

3.Von Rueden, Christopher & Gurven, Michael & Kaplan, Hillard. (2008). Multiple dimensions of male social statuses in an Amazonian society. Evolution and human behavior : official journal of the Human Behavior and Evolution Society. 29. 402-415.

 

4.Trumble, Ben & Cummings, Daniel & O’Connor, Kathleen & Holman, Darryl & Smith, Eric & Kaplan, Hillard & Gurven, Michael. (2013). Age-independent increases in male salivary testosterone during among Tsimane forager-farmers. Evolution and human behavior : official journal of the Human Behavior and Evolution Society. 34.

 

6.Van der Meij, L., Schaveling, J., & van Vugt, M. (2016). Basal testosterone, leadership and dominance: A field study and meta-analysis. Psychoneuroendocrinology72, 72-79.

 

7.Blaker, Nancy & Rompa, Irene & Dessing, Inge & Vriend, Anne & Herschberg, Channah & Vugt, Mark. (2013). The height leadership advantage in men and women: Testing evolutionary psychology predictions about the perceptions of tall leaders. Group Processes & Intergroup Relations. 16. 17-27.

 

8.Vugt, Mark & Grabo, Allen. (2015). The Many Faces of Leadership: An Evolutionary-Psychology Approach. Current Directions in Psychological Science. 24. 484-489.

 

9.Vugt, Mark & Spisak, Brian. (2008). Sex Differences in the Emergence of Leadership During Competitions Within and Between Groups. Psychological science. 19. 854-8.

 

10.Smith, Jennifer & Gavrilets, Sergey & Mulder, Monique & Hooper, Paul & Mouden, Claire & Nettle, Daniel & Hauert, Christoph & Hill, Kim & Perry, Susan & Pusey, Anne & Vugt, Mark & Smith, Eric. (2015). Leadership in Mammalian Societies: Emergence, Distribution, Power, and Payoff. Trends in Ecology & Evolution. 31.

 

11.Gonzalez-Mule, Erik & Cockburn, Bethany. (2015). Worked to Death: The Relationship of Job Demands and Job Control Factors with Mortality. Academy of Management Proceedings. 2015. 10934-10934.

 

12.Vugt, Mark & Smith, Jennifer. (2019). A Dual Model of Leadership and Hierarchy: Evolutionary Synthesis. Trends in Cognitive Sciences. 23.

 

13.Grabo, Allen & Vugt, Mark. (2016). Charismatic Leadership and the Evolution of Cooperation. Evolution and Human Behavior. 37.

 

14.DONAHUE, JOHN & GREEN, MELANIE. (2016). A good story: Men’s storytelling ability affects their attractiveness and perceived status. Personal Relationships. 23.

 

15.Dunbar, Robin. (2004). Gossip in Evolutionary Perspective. Review of General Psychology. 8. 100-110.

 

16.Baumeister, R.F., Zhang, L., & Vohs, K.D. (2004). Gossip as Cultural Learning. Review of General Psychology. Vol 8, Issue 2, 2004.

 

17.Engelmann, Jan & Herrmann, Esther & Tomasello, Michael. (2016). Preschoolers affect others’ reputations through prosocial gossip. The British journal of developmental psychology. 34.

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