マズローの欲求5段階説をアップデートする

2019年9月10日
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自己実現理論を教育心理学でならったのですが、考案されたのが50年前との事で、「古くないか?」と感じました。

 

現代の心理学では自己実現理論をどのように評価しているのでしょうか。

 

自己実現理論とは、別名「マズローの欲求5段階説」の事ですね。

こんなピラミッドで説明される事が多いっす↓

人には5段階の「欲求」があり、一つ下の欲求が満たされれば、次の欲求を満たしたくなるって理論。

簡単に解説しておきますと、

  • 生理的欲求・・・食欲、睡眠欲などの生きていく為に必要な本能的な欲求
  • 安全欲求・・・安全に暮らしたい、病気や事故に遭いたくないという欲求。
  • 社会的欲求・・・友達や職場の人から認められたいという欲求。
  • 承認欲求・・・知らない人からも認められたいと願う欲求。
  • 自己実現欲求・・・自分の夢や目標を達成したいという欲求。

 

マズローの欲求5段階説はキャッチーでわかりやすく、応用しやすい理論なので、教育界のみならず、マーケティングやビジネスの世界で幅広く活躍されているんですな。

 

しかし、質問者さんの言う通り、この理論が提唱されたのはだいぶ昔(1943年)で、流石に古すぎなんですよ(①)。

 

毎年新たな理論が生まれては消え、の科学界で約80年も変わらず残り続けているなんて考えられないと言いますか…異常です。

 

という事で、マズローの欲求5段階説ってどうなの?ってお話でも。

 

マズローの欲求5段階説はある意味正しいが…?

 

心理学の世界で、「マズローの欲求5段階説」は否定派が多いです。

 

流石に80年前の理論ですし、ライフスタイルも大きく変わったので当たり前っすね。

 

例えば、2011年にイリノイ大学が行った研究(②)では、123ヶ国を対象に「マズローの欲求5段階説は正しいの?」ってのを調べていて、

 

  • 確かに、5つの欲求が満たされると幸福度は上がる
  • しかし、順番は関係ない!

 

って結論でした。つまり、

「社会的欲求が満たされないと自己実現欲求が湧かない!」とかは無いって事ですね。

 

空腹でも夢に向かって努力する気にはなるし、寝る時間がなくても誰かから賞賛されたい(承認欲求)んだ、と。

 

なので、個人的には「マズローの欲求5段階説」ではなく、「マズローの欲求5種類説」といい直した方がしっくりくるかなぁー…と思っていたり。

 

欲求5段階説のアップデート版

 

「じゃあ、ほかの理論はどうなの?」と疑問に思うかもしれませんが、これといってありません。

基本的に「マズローの欲求5段階説」に関する研究は、

  • 否定型・・・マズローの欲求5段階説は間違ってる!って論文
  • 追加型・・・マズローの欲求5段階説にこの欲求も加えるべし!と主張する論文

 

の2つなんですよ。

否定型は先程紹介したようなものですね。

 

追加型は沢山あるものの、どれも決め手に欠ける印象。

強いて言えば、アリゾナ州立大学らから出た研究(③)が参考になりそうな感じ。

 

この研究では、「欲求」に関する研究176個を分析して、新しい「欲求段階説」を作りあげています↓

 

下から、

  1. 超必要な生理的欲求・・・「今これがないと死ぬ!」ってやつ。最低限必要なカロリーなど。
  2. 自己防衛欲求・・・自分の安全を保障しようとする。
  3. 所属欲求・・・どこかのグループの一員になろうとする。
  4. 地位、自尊心欲求・・・他人から賞賛される地位につこうとする。
  5. パートナーを求める欲求・・・配偶者をもとめるようになる。
  6. パートナーとの関係を維持したい欲求・・・配偶者との関係を維持しようとする。
  7. 子育て欲求・・・自分の子どもを育てようとする。

 

アリゾナ州立大学のアップデート版によれば、究極の欲求は子育てになるみたい。

まぁ、生物の行動原理は種の繁栄ですから、納得の結果ではありますね。

 

教育ブログに相応しい結果でなによりです(笑)

まとめ

 

ざっとマズローの欲求5段階説の今を見てきたわけですが、

  • マズローの欲求5段階説に出てくる5つの欲求は全世界共通のものである
  • しかし、流石に5段階説を適応するのには無理がある!
  • 適応するなら、アリゾナ州立大学のアップデート版?!
  • 欲求は段階を踏まない可能性がある

 

といった感じにまとめられますね。

 

ビジネスや教育現場でマズローの欲求5段階説を使っている人は、押さえておいてくださーい。

 

 

って事で、流石に欲求5段階説を適応するには無理があるよ!って話でしたー。

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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