教員免許は教師の質を担保しているのか?

2019年3月18日
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こんな質問をいただきました。

 

 

教育関係者です。

最近このブログを見つけて興味深く拝見しておりましたところ、度々質問に答えていらっしゃったので、もしかしたら答えてくれるかもしれないと思い、質問を送らせていただきました。

 

少し前に有名になった本で、『「学力」の経済学』という本があります。

 

その中で、教員免許の有無は教師の質を担保しないとの記述がありました。

 

教員免許は意味をなしていないのでしょうか?

 

ご丁寧にどうもです。私もその本が発売してすぐに買って読みました。

 

データもしっかりしているのに、コンパクトにまとめてあって感激した覚えがあります。

 

で、質問者さんから言われて読み返してみたところ、確かにこのように書かれてました。

 

経済学者の間では教員免許の有無による教員の質の差はかなり小さいと言うことがコンセンサスとなっています。

 

うーん。この記述通りなら免許制度が教師の質を下げているとも言えますな。

 

データ元が2008年の研究だったので、古いとは言えば古いです。

なので、最新のデータではどうなっているのかを調べてみました。

 

教員免許は教師の質を上げているのか?

 

直近+質の高いデータ。という条件で調べてみたところ、2017年にキャンベル共同計画がメタ分析を行ってました。

 

メタ分析とは過去の経験をまとめて大きな結論を出す手法。

言うまでもなく、『「学力」の経済学』で紹介されていたデータよりは質が高いです。

 

この研究では、2023の研究の中から質の高いデータを選別したところ、48個になったんだと。

で、この48個の研究を分析したところ、

 

  • 教員免許があると子どもの成績が上がる!p=0.80!

 

pってなんぞや?と思うかもしれませんが、混乱するので、ここでは細かな説明は差し控えます。

 

ざっくり言えば、教員免許があると80%の確率で子どもの成績を上げられる、という意味です。

 

ただし、相関係数(免許の有無と成績の関連度)を見てみると、r=0.173でして、小さいなぁ…という印象。

 

その他の影響力

 

この研究では成績以外の所も調べてまして、

 

  • カリキュラムに前向きに取り組む度合い(r=0.2224)
  • 学校の活動に前向きに取り組む度合い(r=0.204)
  • 生徒の親と良好な関係を築く度合い(r=0.189)
  • 個別指導の上手さ(r=0.095)

 

全体的にみて0.2くらいなもんですから、教員免許の有無による教員の質の差は小さい、との主張も一理あります。

 

まとめ

 

研究者いわく、

 

一連の研究から、教師の資格と質との間で有意な正の相関関係が見られた。

 

有資格者を教師を任命するのは、教育の質を改善する可能性があるだろう。

 

 

一貫してポジティブな影響があるんだからやっぱり資格って大事だよ!、とな。

 

って事で、『「学力」の経済学』に書かれていた事を訂正すると、

 

  • 免許の有無による教員の質の差は小さいけど、免許があった方が子どもにポジティブな影響があるから無くす必要はない!

 

という感じでしょうかね。参考になりましたでしょうか?

 

また何かありましたら質問は随時受け付けておりますゆえ、気軽にどうぞー。

 

 

って事で、教員免許はなくてもいいけど、全体的に見ればあった方がいい!って話でしたー。

 

 

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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