子どもの集中力を奪う「経験」とは?

2019年6月11日
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「人生の成功には集中力が超大事!」って話をしたことがありましてね。集中力の高い子は将来年収が高かったんですな。

なので、当ブログでも集中力を伸ばす方法をいくつか取り上げたりしてました。

そんな中、最近ワシントン大学から出た研究では、「将来の集中力を奪う幼児期の経験」って内容で参考になりました。

子どもの集中力を奪う「コルチゾール」という存在

今回ご紹介する研究では、3〜5歳の子ども306人の人種・民族・社会的地位・家庭の所得・生活スタイルなどを調べ、2年ごとに実行機能を測ったそうな。

実行機能とは、ざっくり言えば日常生活を上手くこなすスキルみたいなもの。

この研究だと、

  • 人の指示に従って正しく行動できるかどうか
  • 注意(集中力)を一つに向け続けられるか
  • 我慢できるか

などで実行機能を調べていました。で、まず結論から申し上げますと、

  • 慢性的なストレスを感じていた子は、実行機能が低かった!

 

唾液から子ども達のコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌量を調べたところ、実行機能の低い子は、一般的な子に比べて慢性的にストレスレベルが高い状態だったんですよ。

実は、コルチゾールって普通の人でもよく分泌されるんですな。例えば、朝起きる時。

睡眠というリラックスした状態から目を覚まさせる為には、身体に少しのストレスをかけてあげる必要があります。

あとは集中力を発揮する時にも分泌されます。集中するとは言わば、「注意を向けなければならい異常事態」なので、コルチゾールが沢山分泌されるんですな。

このように、ちょっとしたコルチゾールは、日常生活を送る上で上手く機能してくれますが、これがずっと分泌されてしまうと厄介なことに。

慢性的にコルチゾールが分泌され、常に身体が緊張状態になってしまっていると、

  • 身体の免疫システムがおかしくなって病気になりやすくなる
  • 常にストレスにさらされているので、脳が常にヘトヘト状態。いざという時に集中力を発揮できない

という問題を引き起こしてしまうんですな。いやー、恐ろしい…

子どもの集中力を奪うヤバイ経験とは?

慢性的なストレスにさらされていた子達の特徴は明らかで、

  • 逆境が多いこと

ここで言う「逆境」とは、

  • しつけと称した暴力
  • 頻繁な引っ越し
  • 家庭が貧しく、空腹の時間が長い
  • 親の離婚

が一般的でした。当ブログでも、「体罰は子どもの頭を悪くする」とか、「引っ越しは子どもに悪影響」・「離婚も子どもの学力を下げちゃう」といった話をした事がありました。

これら全て「慢性的なストレス」が原因だったんですね。

だからと言って、「過保護に育てろ」という訳ではない

ここまで読んで頂ければ、「できるだけ子どもにストレスを感じさせないようにしなければ!」と思われるでしょう。

それは正しいです。現に、「ストレス対策をすると成績が上がる!」という研究結果もありますからね。

ただ、ストレスを完全に無くすのも問題。

ここで質問ですが、あなたは過保護に育てられた子にどんなイメージを持ってます?

「ワガママ」という言葉が一瞬頭に浮かんだのではないかと。

これは、子どもから全てのストレスを取り去ってしまったが故に、ストレス耐性が低く、障害に直面した際に、耐え抜いて解決するという忍耐力が乏しくなってしまうからなんですな。

なので、全てのストレスを取り去るのは逆効果。ストレスと非ストレスのバランスが重要です。

今ここでストレスの最適なバランスについては申し上げられませんが、

  • 学校や習い事で生じた課題はできるだけ自分で解決させる
  • 手助けをしてもいいが、1から10までサポートしない
  • 家庭では安心できる環境を作る

を心掛けて頂ければと思います。

まとめ

[box03 title=”教育に応用すると?”]

①食べられない・両方の仲が悪い・頻繁な引っ越しなどといった、ストレスを慢性的に感じていると、その子の集中力が低くなってしまう。

 

②だからと言って、ストレスを完全に無くしてしまうと、我慢ができず、自立できない子になる可能性がある。

 

③外では挑戦させ、家庭では安らげる環境を子どもに提供しよう。

[/box03]

子どもの問題行動って煎じ詰めれば、慢性的なストレスかストレスから無縁の生活を送りすぎている事なのかも。

 

って事で、毎日ストレスを感じる生活をしていると基本的な能力が下がってしまうよ!って話でしたー。

 

 

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Liliana J. Lengua , Stephanie F. Thompson , Lyndsey R. Moran , Maureen Zalewski , Erika J. Ruberry , Melanie R. Klein and Cara J. Kiff(2019).Pathways from early adversity to later adjustment: Tests of the additive and bidirectional effects of executive control and diurnal cortisol in early childhood.

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月に300本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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