通信教育に効果はあるのか?また、効果的な使い方とは?

2019年7月19日
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通信教育についてこんな質問を頂きました。

 

 

こんにちは。ツイートが大変興味深いものばかりで、ブログの方も参考にさせてもらってます。

 

質問なのですが自分には小学生の弟がいて、最近宿題が多く、それをこなすのに追われている感じです。

 

これに加えてチャレンジ◯年生のような月1で届くテキストも母に促されやってます(けっこうな頻度でたまる)。

 

テキストがたまっているときでも、テストの点数は平均以上とれていて、正直自分は追加のテキストはいらないのではないかと考えてます(自分もそうだった)。

 

こういったチャレンジ◯年生のようなテキストは必要なのか、そして意味があるのかどうかを教えてほしいです。

 

テキストが溜まるのはあるあるですよね(笑)私も小学生の頃溜めてしまい、やめた記憶が…

 

という事で、この問題について考えてみます。

 

個別に効果を調べた研究はほとんどない

 

まず、「〇〇ゼミ」や「チャ○ンジ○年生」自体の効果を調べた研究はほとんどありません。

 

あっても、企業が関与しており、客観的に見て正しいとは言いづらいです…(都合のいいデータばかり抽出していたりとかね)。

 

なので、通信教育全体を調べた研究から推測していくしかありません。

 

あと、最近ではタブレットを配り、動画授業の形にシフトしつつあるので、そこら辺も絡めつつ書いていきますね。

 

通信教育の効果とは?

 

通信教育は言わば「プログラム学習」の一種です。

 

プログラム学習とは?学習内容を段階的に進め、徐々に習得させていく学習方法。

 

基礎→問題→応用問題→次の単元

 

 

通信教育って、基本的に一人で進めていけるようにデザインされていますからね。

 

で、肝心の効果なんですけど、2000年の研究だと(①)、

 

  • 自主的に勉強できる子だと効果量0.4

 

効果量の目安として、0.4以上あると「やった方がいい!」ってなるレベルです(中程度)。

 

なので、普段から自分で計画を立てたり、進んで宿題に取り組む子なら通信教育は意味あるかなーって感じ。

 

裏を返せば、ある程度自立した(小学校高学年以上)年齢でなければ、無駄になる可能性が高いです。

 

質問者さんの弟さんは、平均点以上取れているとの事なので、無意味という訳ではないかと。

 

プログラム学習の弱点

 

プログラム学習ってなんだか良さそうに思えますよね。

 

「基礎の基礎から解説!」とか「積み上げ式!」と言われれば、どんな子でも身につきそうですもん。

 

が、そんなプログラム学習って実は万能ではありませんで、1982年の研究(②)によると、

 

  • 理系の勉強にはほとんど効果なし!

 

との事。

応用がメインの教科に関しては、誰かからのフィードバック(指導とか直し)が重要で、通信教育だと限界みたいなんですよ。

 

問題を解決するまでの思考過程を正してくれる人がいないと、ちょっと厳しいかもですね。

 

動画授業の効果は?

 

テキストベースだとこんな感じなので、動画ではどうでしょうか?

そこで参考にしたいのが、2002年に行われたメタ分析(③)。

 

メタ分析とは、過去の研究をまとめ大きな結論を導き出す研究手法のことで、質はピカイチ。

で、結果はこんな感じ↓

 

  • ウェブベースの学習効果は効果量0.24!

 

うーん…ちょっと物足りないですかねぇ…

 

この低さの原因はインタラクティブ性の欠如らしくて、特に子どもは大人とのコミュニケーションの中で学習が進むっぽいんですな。

 

受動的な学習が批判されるのも無理ないと言いますか…

 

通信教育を効果的に活用するには?

 

ここまでの結果をまとめますと、

 

  • 自立してコツコツ勉強できる子以外は通信教育をさせなくてもいい!

 

です。むしろ、学校の勉強を頑張って、自立した学習者を目指してからの方がお金も時間も無駄になりません。

 

さらに、

  1. 通信教育の教材を溜めてしまった
  2. 自分はコツコツと勉強できない人だ
  3. 勉強が苦手だ

 

となる可能性もあり、これは避けたい所。

学校から出る宿題を計画的に進められないのであれば、逆効果になるでしょう。

 

それでも通信教育を受けさせたいのであれば、予習教材として活用してください。

「学習スピードが上がる「意味のある失敗」とは?」という記事のなかで、

 

 

  • 成功と失敗の距離が近い時に学習が進む!

 

と書きました。

つまり、学校の授業で初めて習うよりも、何を学ぶか少しでも頭に入れておいた方がいいって事です。

 

宿題として予習を課す教師もいますが、予習で使う教科書は授業ありき(先生の説明を前提として)で作られているので、実は予習向きではありません。

 

その点、通信教育の教材は一人でも進められるように工夫されており、予習教材としてはかなり優秀であると言えます。

 

なので、通信教育の教材は、

 

  • 授業の前日にパラパラ見ておく!

 

って使い方がオススメです。あとはテスト前に腕試しとして使う程度で十分かと。

 

まぁ、個人的な意見として、成績を上げたいのであれば、運動したり音楽を習った方がいいと思いますが…

 

 

 

 

まとめ

教育に活かすなら?

①自主的に勉強を進められる子以外は、通信教育で学力を上げるのは難しい。

 

②通信教育ではフィードバックが不足するため、理系の科目で伸び悩む。

ここは、大人から直接教えてもらった方が伸びる。

 

③通信教育の教材は前日の予習として使うならアリ。

 

毎日宿題と通信教育に追われているのであれば、通信教育を減らして他の事に取り組ませた方がいいのかもしれません。

 

 

 

って事で、勉強ができる子なら通信教育は意味あるかもね!って話でしたー。

 

 

 

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当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


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