タグ: いじめ

blur-boy-child-821948-min-1280x853.jpg

2019年5月17日

いじめの形も年々変わってきていまして、近年だと、SNS上で悪口や誹謗・中傷を書き込んだりする「ネットいじめ」が増え始めているんですな。

文部科学省の調査によると、ネットいじめは1万779件確認されており、まだまだ氷山の一角とのこと。

「なら、ネットいじめに遭うとどうなのるの?」という研究がバッファロー大学から出てたのでご紹介。

ネットでいじめられるとどうなる?

この研究では、中高生801人に対してネットいじめに遭った経験とうつレベル、睡眠の質をオンライン上で調査したらしいんですな。

インターネットやソーシャルメディア上でのいじめは、普通のいじめとは違った独特な形態である。

いじめとは言っても、ネットだと勝手が違うんだ、と。確かに、匿名でいじめらるのと直接やられるのとでは心の持ちようが違いますもんね。匿名でいじめられるとみんな敵に見えてきますし……

で、どんな影響があったのかと言いますと、

  • ネットいじめに遭うとうつレベルが上がる(相関係数0.38)
  • 睡眠の質が下がる(相関係数0.1)
  • 睡眠不足のせいでうつになる(相関係数0.26)

睡眠との相関が低いですが、「あくまで間接的な影響だ!」との事。調査形式もオンライン上の自己申告制なので、厳密性にはやや欠けます。なので、細かい数値は変わってくるでしょう。

とは言え、「ネットいじめ」はうつレベルを上げて、睡眠に影響してくるみたいですな。

なぜネットいじめは睡眠に影響を及ぼすのか?

この研究だけでは詳しく事が言えないものの、過去の研究によると、

ネットいじめはこの2つを引き起こすからなのではないかと、ざっくり流れを説明すると、

  1. ネットいじめに遭う
  2. 今の子はストレスに晒されるとスマホを見がちになる
  3. スマホのブルーライトには覚醒作用があり、夜でも寝れなくなる
  4. 睡眠の質が下がる
  5. いじめ+質の低い睡眠のせいでうつレベルが上がる

現時点ではおそらくこんな流れかと。まだまだ不確定要素が多いので、これからの研究によって変わる可能性は大いにありますが…

まとめ

[box03 title=”教育に応用すると?”]

①ネットいじめは間接的に睡眠に悪影響を及ぼす。

 

②今の学生はメンタルにダメージを受けると長時間スマホを見がち。

 

③いじめに遭ったら、まずはスマホを遠ざけるといいだろう。

[/box03]

寝ないとメンタルがリセットされませんから、悪循環からなかなか抜け出せなくなってしまうんですな…

「スマホ断ち」がキーワードになるかもしれませんね。

 

って事で、ネットいじめで睡眠の質が下がるかもだ!って話でしたー。

 

 

[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい![/chat]

 

この記事が少しでも役に立ったらボタンを押してフォローしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします!!⇩⇩⇩

Twitterをフォローする

Misol Kwon, Young S Seo Suzanne S Dickerson, Eunhee Park and Jennifer A Livingston(2019).0802 Cyber Victimization and Depressive Symptoms: A Mediation Model Involving Sleep Quality.


35885-min-1280x1280.jpg

2019年1月11日

いじめには加害者と被害者と傍観者がおります。

被害者は心身ともにダメージが甚大なんですが、どうやら傍観者にも悪影響があるそうな…

いじめを傍観していると?

モントリオール大学の研究で、4000校のいじめに関するデータを分析したものになります。

この研究によると、90%の子どもがなんらかのいじめの傍観経験がある!って事が判明。

ほとんどですねぇ…「うちの学校にいじめは一切ない!」って言える学校なんて存在しないのか…。

で、肝心の傍観者への影響なんですが、

  • 13歳の時点でいじめを目撃した子は、15歳でメンタル面で問題を抱えやすい!

 

いじめの度合いが深刻なほどメンタルの悪化に比例するそうな。おそろしや…

いじめを目撃するとどんな影響があるの?

いじめの傍観者には以下のようなメンタル問題を引き起こしやすくなるそう。

  • 攻撃性の増加
  • うつ病
  • 不安障害
  • 薬物乱用
  • 不登校
  • 学校をサボる

 

薬物乱用は日本だとタバコとかですかね?

研究者いわく、

いじめが放置されている状態は、コミュニティの有効性と安全性への見積もりを減少させる。

(中略)

いじめのレベル別の傍観者への影響を研究したものは未だ無い。おそらく、いじめの深刻さで異なる反応があるだろう。

 

傍観者への影響を調査したものって意外にもないんですね。

確かに、「おっ!面白いテーマだ」ってなったもんなぁ。

この研究がより進む事を願うばかりです。

まとめ

[box03 title=”教育に応用すると?”]

①いじめの傍観者を減らすために、傍観者への影響を伝えよう。

 

②程度の差はあれどいじめは必ずある。

 

③傍観者へのメンタルケアも必要になるかもしれない。

[/box03]

 

いじめを減らす対策+傍観者への悪影響を地道に伝えていくしかありません。

子ども達が健やかに成長していくためにも小さな事から始めていきましょう。

 

って事で、いじめを見るだけでもメンタルに悪影響!って話でしたー。

 

 

[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい![/chat]

 

この記事が少しでも役に立ったらボタンを押してフォローしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします!!⇩⇩⇩

Twitterをフォローする

Michel Janosz, Frédéric N Brière, Benoît Galand5, Sophie Pascal, Isabelle Archambault, Marie-Christine Brault, Brigitte Moltrecht7, Linda S Pagani(2018).Witnessing violence in early secondary school predicts subsequent student impairment

Designed by Rawpixel.com


23506-min-1280x911.jpg

2019年1月6日

いじめと自信の関係

米国心理学協会で、いじめと自信に関する研究が発表されておりました。

アメリカの調査なので、細かい数値は違ってくるかもですが、非常に参考になります。

当研究によると、小学生の24%が慢性的ないじめに苦しんでいるそうな。うーん、辛い…

この研究の面白いところは、いじめを経験した子を10年以上追跡したところであります。

基本的にいじめの研究って短期的なものが多くて、信頼性としてはやや低いのが多いんですな。

その点今回の研究は、長期的に調査したものになりますのでナイスです!

383人を幼稚園児から中学生になるまで追跡調査したところ、

  • いじめられた子どもは、学業成績が低い傾向にあった!
  • 学業への嫌悪感も大きい
  • 勉強への自信も低い
  • 成長するにつれていじめの割合は減っていく(最大で6%減る)

 

うーん…なんとも辛い結果であります。

ただ、数パーセントはいじめを乗り越える事ができるそうで、

何人かの子ども達は、いじめの被害から逃れ、回復する事ができていました。これは非常に有望なメッセージです。

確かに、少しでも希望があれば自信はつきましょう。(でなければやっていけない)

いじめ防止運動は辞めてはいけない!

全国的にいじめが注目されるといじめ調査は活発になりますが、次第に調査はなくなり、またいじめが表に出なくなる。

これは日本でも同じ事ですね。

基本的にいじめの大きなニュースの翌年はいじめの発見率が急増する傾向がありますし。

いじめ調査は毎年同じ頻度でする必要がありますね。

まとめ

[box03 title=”教育に応用すると?”]

①いじめを見つけるのは至難の業だが、あまりにも勉強が苦手な子はもしかしたらいじめられた経験があるのかもしれない。

 

②いじめ調査は毎年同じ質なのかどうかを確認しよう。少しでも手を抜くと見過ごすいじめが出てきてしまう。

 

③子ども達の学力を上げる為にはいじめ対策は必須!カリキュラムよりもまずはいじめをどうやったら防止できるかを先生達で考えよう。

[/box03]

 

いじめを減らす方法についてはいくつか書いておりますので、ご参照ください。

[box06 title=”あわせて読みたい”]

 

いじめの記事って書いていて心が痛くなるんですけど、教育においては重要な事なので、これからもいじめ関連の研究については見つけ次第書いていきたいと思います。

 

って事で、いじめられると勉強が嫌いになっちゃうぞ!って話でしたー。

 

[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい![/chat]

 

この記事が少しでも役に立ったらボタンを押してフォローしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします!!⇩⇩⇩

Twitterをフォローする

Ladd, Gary W.,Ettekal, Idean,Kochenderfer-Ladd, Becky(2017).Peer victimization trajectories from kindergarten through high school: Differential pathways for children’s school engagement and achievement?

Designed by Rawpixel.com


16068-min-1280x854.jpg

2018年12月27日

意外にもいじめ問題について取り上げてなかったなーと思いまして。

と言ってもいじめは複雑で、コレ!ってな解決策が現時点ではないんですよ。

でもいじめは無くしたいなぁと思いながら、いじめの研究を漁っておりましたところ、これは新しいくていいなぁと思ったいじめ対策があったのでご紹介します。

いじめを30%減らす解決策

プリンストン大学、ラトガース大学、イェール大学らの共同研究で、中学校56校を対象にしたものになります。

早速結論を申し上げますと、

  • 学校内の影響力のある子にいじめを減らすメッセージを伝えてもらうと、いじめ率が30%減った!

 

ドラえもんで例えるなら、ジャイアンのいじめを無くしたいなら、出木杉くんに「いじめはダサいからやめよう!」とメッセージを広めてもらうのがいいみたいな事でしょうか。

研究者いわく、

社会規範を変える最善の方法は、インフルエンサー(影響力のある学生)に自分の声で話すことだと思う。

この様なアプローチを使って自分のメッセージを泡立たせるように促すことは非常に強力なことだ。

いじめを相談すべきは先生ではなく、学校の人気者にしろ!とな。

インフルエンサーをどうやって見つけるか?

この研究では以下の事も判明しておりまして、

  • 先生がインフルエンサーを選ぶとミスる
  • インフルエンサーは子ども達に直接聞くのが正確

 

どうも先生がインフルエンサーを選ぶとなると、「いい子」を選びがちで、影響力が反映されていないんだと。

そうではなく、実際に集団にいる子ども達に聞くと真のインフルエンサーが見つかるそうな。

確かに、コミュニティに所属していないと裏で牛耳っているボスは見つけられませんもんねぇ。

研究者いわく

メッセージを広めるために、特定の人々を精通した方法でターゲット設定することができます。

ターゲットとするべき社会的な指示対象は、子ども達から知ることができます。

その人々が誰であるかを把握し、彼らと協力して積極的な変化を促すための多くの方法を模索していくべきなのです。

この実験では、生徒に「学校の中で影響力のある子10人を教えてください」と言ったアンケートに答えてもらい、トップ10%の子をインフルエンサーとしていました。

これは人気投票みたいでやりたくないって先生もでてくるかもしれませんが…

まとめ

[box03 title=”教育に応用すると?”]

①いじめを減らすメッセージは影響力のある児童生徒に広めてもらった方が効果がある。

 

②インフルエンサーは先生では見抜けないので、子ども達に聞いてみよう。

 

③子ども達でいじめへの規範を作る事に大きな意味がある。大人が作ったルールだと、破られやすい。

[/box03]

 

国の法律にはうるさいのに、自分のコミュニティの変なルールには従順ってのもコレですかね。

 

って事で、いじめは影響力のある児童生徒に解決してもらえ!って話でしたー。

 

この記事が少しでも役に立ったらボタンを押してフォローしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします!!⇩⇩⇩

Twitterをフォローする

Elizabeth Levy Paluck, Hana Shepherd, and Peter M. Aronow(2016).Changing climates of conflict: A social network experiment in 56 schools

Designed by Rawpixel.com



当ブログの運営者:エイジ

年間3600本以上の学術論文を読破する20代男性の教育関係者。エビデンスのある教育を広めるために、ブログ・ Twitterなどで最新の教育情報を発信しています。 Twitterをフォローして頂けると幸いです。下のアイコンからTwitterのページに飛べます。


Twitternote